病院ブログ

災害時のペット対策ガイドライン~人とペットの災害対策~

2022.10.17 | ブログ

ブログ第14話 「災害時のペット対策ガイドライン~人とペットの災害対策~」

私、個人が考えたガイドラインではなく徳島県が作成したものです。(以下~ガイドラインの文章を引用)

現在、徳島県内では、4世帯に1世帯は犬や猫がペットとして飼育され、その飼育頭数は犬では48.000頭、猫では53.000頭と推定されています。

このような状況では、大規模災害時のペット対策をどのように講ずるかは、単なる動物救済の観点からではなく、ペットを家族の一員とする飼育者への支援とペットによる人への危害防止にもつながります。

大規模災害発生時には、まずは飼い主の「自助」、「共助」、「公助」として、行政、地域、関係団体、ボランティア等が連携、協議して対応にあたることが必要です。

また、災害時のペット動物対策を円滑に進めるためには、飼い主の日頃からの心構えと備えが大変重要になります。

この度、環境省が策定した「人とペットの災害対策ガイドライン」及び「災害への備えチェックリスト」を参考に、本県のガイドラインを改定し、大規模災害発生時に備えた日頃からの準備や、災害発生時の行政、地域、関係団体、ボランティアの取り組みをより具体的に記載することで、内容の充実と実効性の向上を図りました。

ここからは、私個人のお話です。

このガイドラインの構成は
①ガイドラインを作ることになった背景について
②飼い主に向けたガイドライン
③県・市町村に向けたガイドライン(←東日本大震災時に問題がたくさん生じたので、ガイドラインを作成されています!
となります。

大規模災害発生時には、自治体は、避難所の運営などに数多くの人員を割かれます。このために動物の保護が十分に行えなくなることが予想されます。
人が優先されることは仕方がないですし、人が生存しなければ、動物を保護することもできません。
そこで、災害発生時には、人への対応後に、徳島県動物救援本部(県救援本部)が設置され本格的な動物保護が開始される流れになります。
県救援本部が設置された後は、動物愛護推進員、ボランティアなどと協力して、緊急的な被災飼い主及びペットへの支援活動を開始します。

飼い主に向けたガイドライン
大規模災害発生時には、人の救護が優先されます。このことからペットまで支援が行き届かないことが予想されます。
厳しい状況が飼育者とペットに降りかかる可能性が高いと思われます。
ペットとの同行避難について
災害発生時には、飼い主が自身の安全を確保した上で、ペットとともに避難行動(同行避難)を取ることが原則です。
(※同行避難:飼い主がペットを同行して指定避難場所等の安全な場所まで避難する行為であり、避難場所でペットと同室で飼養管理することではない)
同行避難が必要になった理由
単純に考えれば人命が優先される状況であることには変わらないのですが、同行避難は動物愛護の観点だけではなく、飼い主である被災者の心のケアの観点からも重要でした。
特に東日本大震災の時には、ペットの放浪、繁殖して環境に悪影響を与えました。そのために、繁殖制限や保護のための緊急措置が必要になるなどの混乱が生まれました。
このために飼い主とペットの同行避難を推奨することになっております。
飼い主の役割
避難所への同行避難のため、他者への迷惑にならないよう、日ごろからペットの管理やしつけを適切に行っておくことも必要です。
つまりは、多頭飼育の場合は災害時に同行避難が可能かどうか、責任をもって適切に管理できるかを十分に検討して飼育しましょう。
また避難場所は全てがペットを受け入れ可能とは限りませんのでまず情報収集をしていただき、ペット受け入れ可能な避難場所を調べておいてください。
東日本大震災の時には被災した自治体などにおいて避難所や仮設住宅でのペットの受け入れに関する方針がなく、また受け入れを認めない自治体があり、避難所に入れず車の中でペットと生活する被災者や、避難所を転々とする被災者が生じました。
災害時に必要なしつけ
ケージやキャリーバックに入ることを嫌がらないように慣らすこと
・人や他の動物を怖がらない、攻撃的にならないように慣らす
・決められた場所での排泄
・各種予防接種を定期的に継続
・寄生虫予防
・避妊去勢手術
・何種類かのフードに慣らす

ケージは可哀そう、入れると鳴くから持っていません。バックも入りたがらないから持っていない。というお言葉をよく耳にします。
もちろん、常日頃からケージなどに入れておく必要はないのですが、大規模災害時には日常生活に戻れるまで、数か月かかる可能性もあります。
避難場所で迷惑をかける可能性が非常に高く、そういう状況下では他者も心の余裕がありませんので協力的に対応してくれる可能性は残念ながら低いと想像できます。
可哀そう、自由にしてあげたいというお考えを否定するわけではなく、ケージでも管理できるペットに育てることにもチャレンジしてみてください。

避難場所での適切な飼養管理
①避難場所での飼養
ペットとの住み分けや同居など、各避難所が定めたルールに従います。また飼い主が責任をもって世話をします。
避難所には動物アレルギーの人や動物が苦手な人もいますので、他の避難者への配慮や飼い主同志の協力も必要です。
②自宅での飼養
在宅避難の場合は支援物資や情報を必要に応じて指定避難場所などに取りにいきます。
二次災害の恐れがない場合、飼い主が避難場所に避難し、ペットは自宅で飼養する場合は、避難場所から自宅へ世話しに行くことも可能です。
③車の中で飼養
熱中症などに注意
④施設などに預ける
避難場所での飼養が困難な場合や事情により飼い主が飼養できない場合には親戚や友人など、一時預け先の確保に努めてください。
他の民間団体などにも預ける場合もあります。トラブルを起こさないように。

災害時には、動物は残念ながら後回しになります。
仕方がないと割り切ってください。誰しもが、家族とはぐれたり、連絡が取れなかったりと不安な心境であり、不便な状況が続きます。
ですが、人は必ず立ち上がります!自分の置かれている状況を理解した時に自分にできることを探し、他者への気遣いもできるようになります。
それでも、必ず冷たい言葉を投げかけてくる人もいるでしょう。できれば自分はその立場側にならないように注意しましょう。
同じ状況で、同じペットを飼っている人が存在します。一緒に助け合っていくよう頑張りましょう!

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