病院ブログ

尿中ヘモグロビンチェッカー⁉

2022.02.25 | ブログ

ブログ第8話~尿検査で悩む人の救世主に?~

犬、猫の処方食でお馴染みROYAL CANIN(ロイヤルカナン)から販売された「尿中ヘモグロビンチェッカー」について紹介と説明をさせていただきます。

まず、食べ物ではありません!

今回の「尿中ヘモグロビンチェッカー」は顆粒状の尿検査ツールになっており、トイレの砂やシステムトイレに混ぜて使用します。

排尿をした際に、尿と顆粒が反応することで顆粒の色調が変化すると異常ありと判断されます。

尿の中のヘモグロビンが出現している場合に顆粒と反応し青色に変色することで、尿中のヘモグロビンの存在を明らかにしてくれます。

尿中のヘモグロビン…つまり血尿の場合に青色に変色するようになります。

まずは動画を見てくださいね!   →  https://youtu.be/Nl0a3_F24z8

では、何のために使うのか?

猫さんの下部尿路疾患は再発もしやすく、なかなか安定しない病気であり、定期健診に尿検査を実施することで経過を見ていきます。

しかし検査当日に異常がなくても翌日に血尿になることもあるため、定期的な尿検査の意味を見出せない状況も少なからずあります。
もちろん、尿結晶や結石の管理としては尿検査は必要です。ただし特発性膀胱炎などは予兆がないこともあり、尿検査にも限界があります(定期的にしてれば安心というわけではないです)。

そもそも尿検査のための「採尿」がむずかしい!!って思いますよね。

そこで、自宅で手軽に尿検査とまではいきませんが、砂を確認するだけで血尿(出血)が起きているかどうかを判断できるとしたらどうでしょうか?

いやいや血尿でしょ?尿が赤いからすぐわかるやん!とはならないんです。

実は出血量が微量の場合は、尿の色調は変化しません。つまり外観は「いつもの尿」なのです。もちろん出血量が増えれば、赤い尿に見える為判断可能です。
(また赤い尿でも厳密にお話すると、血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿に分類区別しなければなりません。その話は尿検査のコツの回を参考にしてください)

では出血量が少ないのに、顆粒が変色するほど検出感度が良いのかどうか疑問ですね。
ROYAL CANIN(ロイヤルカナン)の発表では5ℓの水に含まれる血液1滴分のヘモグロビンに反応する検出感度となっております。

細かく説明すると1滴は0.05ml程になります。(目薬の1滴=0.05mlなのでイメージが付きやすいかもしれません)
あとは5ℓの水をイメージするだけですが、検出感度はよさそうですね!

わずかな尿が触れるだけでもヘモグロビンが含まれていれば変色する仕組みになります。

このようなヘモグロビンチェッカーを利用する場合、まず「特発性膀胱炎」「尿路結石」などの診断を受けた後に、通常は尿検査を定期的に実施します。

その後にヘモグロビンチェッカーを用いて健康管理を行うことがおすすめの使用方法になります。

ぜひ参考にしてみてください。

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